· 14 September 2026

Carbon-Free Chronicles 2026年8月号:時間単位の透明性に関するニュース・レポートまとめ

今月一番のニュースは、スペインがデータセンター向けに、これまでで最も野心的なアワリーマッチング義務化の草案をまとめたことです。系統への接続そのものを、1時間ごとの再エネ充足率80%に結びつける内容です。一方、コンゴ民主共和国では、アフリカ初となる太陽光+蓄電池による24時間365日のベースロード発電所が銅山で稼働を始めました。夏休みが明けてイベントも再開し、私たちのチームに会える機会がたくさんあります。今月、私たちが注目したトピックをご紹介します。

今月のニュース

スペイン、データセンター向けに野心的なアワリーマッチング義務化を草案

  • スペイン閣僚評議会は、政令草案の迅速審査を承認しました。草案では、1MWを超える新設データセンターに対し、1時間ごとの電力消費の少なくとも80%を再エネ電源でまかなうことを求めます。対象となる電源は、施設の運転開始から18か月以内に運転を始めたものに限られます。
  • 達成状況は1時間ごとに判定されます。年間でのマッチングを前提とする現行の原産地証明(GO)よりも、ずっと厳しい基準です。達成できない場合は系統利用料の追加負担が段階的に上がり、最終的には系統へのアクセス権を失います。対象は新規案件のみです。
  • データセンターの持続可能性について、これまでEU本部(ブリュッセル)が示してきた姿勢よりも明らかに踏み込んだ内容です。欧州全体でデータセンターの電力需要が伸びるなか、他の加盟国が参考にする基準となる可能性があります。

アフリカ初の24時間365日 太陽光+蓄電池ベースロード発電所、コンゴ民主共和国の銅山で稼働

  • CrossBoundary Energy の太陽光・蓄電池ハイブリッド発電所が商業運転を開始しました。コンゴ民主共和国にある Kamoa Copper の鉱山施設に、30MWを超える需給調整可能な再エネ電力を、稼働率95%で24時間供給します。
  • ディーゼル発電を置き換えることで、鉱山のCO2排出量を年間78,750トン削減できる見込みです。あわせて、ディーゼル価格の変動や供給途絶のリスクも抑えられます。
  • 安定した24時間の再エネ電力は、成熟した電力市場に限らず、系統につながっていないエネルギー多消費型の産業拠点でも大規模に導入できる段階に来ています。本件はそのことを示す有力な実例です。

The Guardian:英国の電力小売事業者が訴えるアワリーマッチングの意義

  • The Guardian の特集記事で、Good Energy の Fran Woodward 氏は、REGO(英国の再エネ原産地証明)を使った「再エネ100%」料金プランはグリーンウォッシュの一種だと指摘しています。証書は電力そのものと切り離して購入でき、両者の時間が一致する保証がないためです。
  • Good Energy が代わりに提案するのがアワリーマッチングです。同社は自社の現状も率直に開示しています。顧客需要のうち88%は同じ30分コマ内で、90%は同じ1時間内でマッチングしており、残りは年間ベースでのマッチングにとどまっています。
  • Granular Energy は、Good Energy の料金プランを支えるデータ基盤とアワリーマッチングを提供しています。

私たちの発信

RECとは? クリーンエネルギー主張を支える証書の基礎ガイド

  • 再生可能エネルギー証書(REC)についての入門記事を公開しました。RECとは何か、企業がクリーンエネルギーの報告を拡大するにつれてRECポートフォリオが複雑になる理由、そして専用の管理ツールを使えば、手作業で照合しなくてもポートフォリオ担当者が種別・地域・有効期限を把握し続けられる仕組みを解説しています。
  • 本記事は、米国の環境価値市場に特有の課題と機会に焦点を当てています。記事はこちらからお読みいただけます。

TotalEnergies × Granular Energy:年間マッチングよりアワリーマッチングが優れる理由

  • TotalEnergies と共同で、年間マッチングに対するアワリーマッチングの優位性を解説する動画を制作しました。両社がすでに取り組んでいる、TotalEnergies の英国におけるグリーン電力供給証書の管理での協業を発展させたものです。動画はこちら。

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02.11.2026

マッチングスコアから調達戦略へ:STXとの共同ホワイトペーパーを公開

低炭素電力をめぐる議論は、年間の調達量から「供給可能性」と「タイミング」へと移りつつあります。SBTi企業ネットゼロ基準(CNZS)V2.0では、地理的マッチングの要件と、大口電力需要家に対する時間単位の開示要件が導入されました。企業は、現在のポートフォリオがこの両方の観点でどの程度の成績なのかを把握する必要があります。STX GroupとGranular Energyによる本共同ホワイトペーパーでは、企業が今日から粒度の高いデータを使ってベースラインを把握し、調達オプションを評価し、より粒度の高いエネルギー環境に備える方法を紹介します。

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